来週の株式相場に向けて=参院選の結果が一大焦点に、相場環境の急変はあるか
18日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比82円安の3万9819円と反落した。前日の米株高を受け一時4万円に乗せたが、買いは続かず値を消す展開となった。決算内容が嫌気されたディスコ <6146> が急落し、同社とアドバンテスト <6857> の2社で日経平均株価を160円強押し下げた。
明日からの3連休を前に手控え気分が強まったが、連休の中日となる20日には参院選の投開票が行われる。当初は参院選が相場に与える影響は限定的との見方もあったが、「自民・公明の与党が苦戦」との観測が強まるとともに相場の一大焦点に浮上している。
特に、減税を訴えている野党が優勢との見方から、財政悪化懸念も膨らみ長期金利が上昇、円安基調が強まった。一部には、選挙結果次第では「株安・債券安・通貨安のトリプル安となる可能性もある」(市場関係者)と警戒する声も出始めた。ただ、日本の財政状況に関しては「対GDP比での政府債務残高は20年前後をピークに低下している」(アナリスト)とも指摘されており、国が債務不履行になるリスクをやり取りするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)では日本の保証料率は上昇していない。債券市場での金利上昇ほど日本の財政不安は高まっていない、という見方もある。
今回の参院選では、与党が非改選をあわせた過半数の維持に必要な50議席の獲得ができるかがポイントだが「過半数割れの45~50議席程度にとどまることは、相場はすでに織り込み済みだろう。問題は40議席前後となった時だ」(同)という。とはいえ、その場合でも与党が大敗し首相交代の機運が出てくれば、それを相場は転機に捉えることも考えられる。選挙は水物だが、状況次第では参院選が相場の大きな転機となる可能性はある。なお、参院選の関連銘柄として、大手証券では生活支援給付・減税関連で山崎製パン <2212> や日本ハム <2282> 、教育・子育て支援で西松屋チェーン <7545> 、防衛で三菱重工業 <7011> 、原発関連で日本製鋼所 <5631> 、インフラ建設で大成建設 <1801> 、農業でクボタ <6326> などを挙げている。
来週のスケジュールでは、海外では23日に米6月中古住宅販売件数、24日に欧州中央銀行(ECB)理事会、米7月S&Pグローバル米国製造業PMI、米6月新築住宅販売件数、25日に米6月耐久財受注が発表される。21日にベライゾン・コミュニケーションズ <VZ> 、22日にテキサス・インスツルメンツ <T> 、コカ・コーラ <> 、23日にテスラ <TSLA> 、アルファベット <GOOG> 、24日にインテル <INTC> 、ハネウェル・インターナショナル <H> が決算発表を行う。
国内では21日は海の日の祝日で休場。25日に7月東京都区部消費者物価指数(CPI)、6月企業向けサービス価格指数が発表される。同日に沖縄県北部の大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業する。22日にコメリ <8218> 、23日にオービック <4684> 、日本航空電子工業 <6807> 、24日に信越化学工業 <4063> 、キヤノン <7751> 、三菱自動車工業 <7211> 、25日にファナック <6954> 、SCREENホールディングス <7735> 、ルネサスエレクトロニクス <6723> が決算発表を行う。24日にフラー <387A> が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9200~4万900円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
みんなの株式(minkabu PRESS)
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最終更新:7/18(金) 17:47